4胃変位の予防講座(ホームページhttp://www.kiku1342.co.jp)
(ここに載せることは、理論的ではなく、経験から生まれたものである。)
4胃変位になる過程
正常な牛でも泌乳のため、消化器は疲労困憊している。なぜならば、一日30kgの牛乳を出している牛は、400倍の血液=12トンもの血液から牛乳を作っているわけで、血液に栄養を消化。吸収して送っている4胃をはじめとする消化器は疲労状態にある。加えて、季節の変化・エサの急変・人的環境の急変がストレスとなり4胃変位の要因が増え、いつ発症しても不思議ない状態。乾乳するときは。4胃は拡張(アトニー)気味になっている。
正常な4胃 妊娠後期の4胃
分娩直後の4胃 元に戻った4胃?
4胃変位の初期(アトニー)食欲あり 4胃にガスが溜まりはじめた
食欲不振は繰り返し、ガスが徐々に増え、獣医さんを呼ぶとケトー?(ケトージスのこと)かな、といわれる。ケトージスとは、血液中に急激にケトン体が増え、起立不能・消化不良・脳症状など、様々な症状を示す代謝病のひとつ。
右方変位 左方変位
ガスで満杯になった4胃が左にいったのが左方変位、右にいったのが右方変位。
経験的に、左方変位のほうが割合が多い気がする。右方変位は、症状が重篤で捻転を起こしやすく、即急な手術が必要である。
4胃変位の予防対策
乾乳時期に食欲不振を示した牛、ケトン臭をする牛、空胎日数が長い牛、乾乳したのに便が乳量ピーク時と同じで下痢便に近い状態の牛、高齢で乳量がですぎてしまった牛、群でいじめにあっていてやせ気味の牛、前乳期に起立不能にかかった牛、などは慢性の反芻不足、消化不良になっていて、唾液不足及び体液のバランス異常が起こっている。起立不能症・後産停滞・ケトーシスなどに罹る可能性が高く、4胃変位予備軍といえる。特に起立不能にならないための対策は大切と思われる。