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動物用医薬品について

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1】動物用医薬品とは?

動物用医薬品とは、専ら動物のために使われることが目的とされている医薬品のことです。開発、製

造、流通などについては、人の薬と同様に薬事法により規制を受けています。

また、薬事法の規制を受ける医薬部外品や医療機器にも専ら動物に使われるもの(動物用医薬部外品

や動物用医療機器)があります。

 

動物用医薬品には、色々なものがありますが、細菌による感染症である肺炎や下痢などを治療する薬

(抗菌性生物質※1)やノミやダニ、回虫等の寄生虫を駆除する薬、感染症を予防するためのワクチン

2なども動物医用薬品です。

 

1 抗菌性物質:微生物又は化学的に合成されることにより生産されて、微生物の発育をさまたげる

物質。このうち、微生物から生産されるものを抗生物質といいます。

2 ワクチン:病原体の病原性を弱めたり、無毒化して作ったもので、ワクチンを接種すると、体内

に免疫(抗体を含む)ができて、感染症にかかりにくくなります。

 

2】動物用医薬品がなぜ必要なのですか?

病気にならないように注意していても病気になることがあります。動物も同じです。そのため、牛や

豚、鶏などの家畜や養殖魚などを健康に育てるためには、病気の予防や治療のための医薬品が必要に

なります。

家畜や養殖魚の病気の予防や治療ができないと健康な家畜や養殖魚が生産されず、肉や乳、卵などの

安定した供給ができなくなります。

動物用医薬品は犬や猫などの愛玩動物にも使用されます。

 

3】動物用医薬品を使用した家畜の肉や卵、乳なども安全ですか?

動物用医薬品の用法、用量などは、動物の病気への効果、動物に対する安全性を確認して国が承認し

ています。この使用法などは、動物用医薬品が使用された家畜の肉や卵、乳などの食品を人が食べた

ときの安全性も考えて決められています。

 

動物用医薬品を使用した家畜の肉や卵、乳などの食品を人が食べたときの安全性については、毒性試

験のデータなどに基づいて食品安全委員会で専門の科学者が評価(リスク評価といいます。)を行い、

その結果をもとにして、厚生労働省が食品中の残留基準を定め、農林水産省が家畜などへの用法・用

量や使用後に家畜を出荷できない期間(「使用禁止期間」といいます。)などを定めます。

このような仕組みによって、安全な卵や牛乳、肉などの食べ物が作られています。