ハクサイにビタミンC処理したときのカブモザイクウイルス
に対する効果(蛍光斑点がウイルスの感染を示す)
具体的な製品イメージ例
1.抗植物ウイルス剤
複数の植物ウイルス病の病徴を軽減し、発生を遅延させる効果がある。しかし、ビタミンC誘導体はウイルスを殺す薬ではなく、ウイルスを温和しくさせるものであり、複数回の投与が効果的である。ビタミンC誘導体の安全性や残効性については全く問題ない。
2.植物生長促進剤
農薬と言うよりも収量や品質を向上させる植物の生長調節剤として利用することができる。
3.抗環境ストレス剤
ビタミンC誘導体を処理した植物に、低温・高温耐性や耐乾性などを付与できる。例えば、冷夏となり、稲の冷害などが心配される時に、噴霧しておくと効果が認められるものと考える。
4.殺菌剤
ビタミンC誘導体に殺菌性があるという報告があることから、ポストハーベスト用の処理剤として野菜に散布しておけば、マーケットにおいても野菜を衛生面でフレッシュな状態に維持できる。ビタミンC誘導体自体による栄養付与という面でもメリットがある。
5.抗動物ウイルス剤
我々はまだ実際のウイルスに対して試していないが、動物ウイルスのRSSに対する阻害作用があることからビタミンC誘導体を利用したインフルエンザ防止などが期待できる。
その他
メディアへの掲載
・北海道新聞平成25年5月科学欄に掲載予定。
特許の番号、特許名
1.佐野慎亮・深川尊子・山田裕一・増田税・志村華子「抗ウイルス剤」 特願2007-77970 2007.3.23
PCT/JP2008/000655
2.増田税・志村華子・佐野愼亮・深川尊子「抗植物ウイルス剤」特願2009-211649 2009.9.14
PCT/JP2010/065500
3.藤原 綾香・犬飼 剛・増田 税・佐野 愼亮 金澤 潤 「抗ウイルス剤」特願2012−141496 2012年6月22日
※用語の説明
RNAサイレンシングサプレッサー*(RSS):
植物にはRNAサイレンシングと呼ばれるウイルス全般に対する抵抗性機構があります。一方ウイルスもRNAサイレンシングによる抵抗性に対抗する術をもっており、それに関与する一群の遺伝子を持っており、RSS(抑制遺伝子)と呼ばれています。
バイオラショナル**:
植物が自ら作り出した機能性成分によって、ウイルス等からの感染を防御する自己防衛のシステム。生物が作り出す化合物にこそ本当に薬になるものがある.
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